マンガ大賞。葬送のフリーレン。あらすじと感想。
『マンガ大賞2021』の大賞作品に『葬送のフリーレン』が選ばれましたね。
葬送のフリーレンは週刊少年サンデーで連載していて、3月21日の現在までに4巻が出ています。
心が温かくなる良いお話です。
・ストーリー
魔王を倒し、王都に凱旋した勇者一行。勇者ヒンメル、戦士アイゼン、僧侶ハイター、魔法使いフリーレン。50年に1度降る流星群を、もう1度みんなで見るという約束をして解散する。
フリーレンが魔法の収集をしている間に50年の月日が経った。寿命の長いエルフのフリーレンにとっては短い時間なのだ。しかし他のものたちにとっては長い時間だ。フリーレン以外のメンバーはすっかり老いていた。
50年前の約束通り、流星群を見る4人。最後に良い思い出ができたと喜ぶ勇者のヒンメル。
間もなくして、ヒンメルは寿命で他界する。
葬式でフリーレンの涙が溢れ出す。人間の寿命の短さを知っていながら、なぜヒンメルのことをもっと知ろうとしなかったのか。後悔からの涙だった。
フリーレンは後悔を繰り返さないように、人間を知るための旅に出る。
・感想
異世界もので繊細な心の動きを表現している作品を読んだのは初めてかもしれない。だから『葬送のフリーレン』を初めて読んだときは驚いた。
大切な人との時間を先延ばしにしてしまうことがあると思う。例えば親に対して。会おうと思えばいつでも会える。しかしいつでも会えるなんてことはなくて、会えなくなる日が必ず来る。そんなことは頭ではわかっていても、なかなか実感として掴むのは難しい。だから自分たちは大切な人との時間を先延ばしにしてしまう。『葬送のフリーレン』の主人公、フリーレンも同じだ。だからフリーレンがヒンメルの葬式で泣いた時には、フリーレンの気持ちに共感した。フリーレンの涙を見ていたら、自分も泣きそうになった。フリーレンはクールな表情の時が多いが、悲しいときは涙を溢れさせる。そのギャップに心を打たれる。
その他の話も心が温かくなるものばかりだ。是非読んで欲しい。
ところで2話でフリーレンは弟子をとった。弟子は人間だから歳をとるのも早い。きっといつかフリーレンより先に弟子が逝って、フリーレンが残されるという話があるかと思う。その時フリーレンはどんなことを思うのか? どんな表情をするのか? 読むのが怖いような、楽しみのような。とにかくフリーレンには後悔はして欲しくないって思う。